フロンティアサロン(産官学協同活動)

第41回「産学フロンティアサロン」が行われました。

日 時

平成20年1月16日(水) 18:00~

会 場

KUポートスクエア

(神奈川大学みなとみらいエクステンションセンター)

講 師

経済学部 鈴木芳徳 名誉教授

■専門分野: 金融論、証券市場論

■研究課題: 株式会社論、証券市場論、金融論

■研究業績: 信用制度と株式会社、『商経論叢』第5巻3・4合併号、43-74,1970.証券経済論、税務経理協会、237,1979.金融論、ミネルヴァ書房(BasicSeries)、1995

テーマ

「今年の景気を占う」

「子年」は反映の年、と古来申しますが、どうなるのでしょうか。例のサブプライムローン問題でアメリカを含めて世界経済は減速の流れにあります。日本経済も「潮の流れが変わった」ように感じます。しかし他方、未知数の部分もたくさんあるのです。オイルマネーはどこに流れてゆくか、アメリカの大統領選挙の行方はどうか、こうしたことが日本経済に大きな影響を与える、と見ておく必要があるでしょう。さらに、中国やインドが新たな世界経済の機関車になってきている、この辺りも見どころです。最近では、チャイナとインドのことを指す「Chindia」という新語があるほどなのですから。

講演概要

・昨年来の経験

1.「赤福」事件の感想 「公益通報者(ホイッスルブロワー)保護法」解雇などの措置は無効コストダウンを目的とした業務の外部委託化による会社への忠誠心の希薄化。 企業はコストダウンと引き換えに新たなリスクを負う。

2.中立的な助言者の不在

(1)メガバンクが売る「セット商品」の危うさ

(2)投資信託の手数料

(3)個人向け国債

(4)国債投資

(5)地方債

(6)リバース・モーゲジ

(7)悪質商法問題

これらについて助言を求めようとしても、助言してくれるところがないのが実情。 ・「今年の景気を占う」

1.日本経済の現状は三重苦~円高、株安、石油高

2.その原因、アメリカにおけるサブプライムローン

3.世界経済の見通し

(1)アメリカ経済(短期・中長期)

(2)中国経済 4.未知・未確定の領域がある

(1)世界経済の新しいエンジンは? Chindia=China(成長率11%)+India(成長率9%) BRICs=ブラジル+ロシア+インドネシア+中国 VISTA=ベトナム+インドネシア+南アフリカ+トルコ+アルゼンチン

(2)中国などの「政府系ファンド」の行方?

(3)本年11月のアメリカ大統領選挙の帰趨 ・最後に一言

1.通産省の産業育成制度に対する後ろ向きな動きに疑問あり。私企業ではリスクを負いづらい革新的なプロジェクトの場合、国家戦略としての位置づけが必要である。(ex.レアメタル関連、コンピューター関連)

2.大学教育のあり方。企業側が即戦力を求めるのに反し、学生の幼児化が顕著。問題発見能力や自己決定力が不足し、世渡りの力がない。また別の観点より、就学上の経済環境の問題。多くの方に奨学金の協力をいただいていることに感謝している。